「中国製冷凍ギョーザ問題」とは?
千葉、兵庫両県の3家族計10人が2007年12月28日から2008年1月22日にかけ、市販の中国製の冷凍ギョーザを食べた後、吐き気や下痢などの食中毒症状を訴え、一時、意識不明の重体になるなど9人が入院していた。ギョーザとパッケージの一部から有機リン系農薬「メタミドホス」が検出された。
事態は、農薬、毒がどの段階で混入されたかの原因究明に発展し、人為的か等の捜査が行われた。
中国製ギョーザ問題は農薬というあまりにもショッキングな事件だ。私たちは海外に行くとその土地の状況に合わせる。水道水を飲まなかったり、生ものを食べなかったりそんな配慮をし自己防衛に余念がない。
そんな国で作られた食べ物でも、海を渡り日本国内で売られているとなると、安心な食べ物だという誤解が生じ、何の根拠もなく安全性を信頼し容易に口にしてしまう。もちろん、検疫やいろいろな検査はある。けれども、日本国内で売られている、ここは安心安全な国日本なのだという根拠のない信頼が、私たちの心を支配していることは確かだ。
最近度重なる食品の安全性の問題や食品偽装。
かかわった関係者1人ひとりに直接聞いてみる。「そんなことしていいのですか?良心の呵責はないのですか?」と。そうすればきっと「いいえ、よくないことです、良心が痛みます、ごめんなさい。」とまともな意見が返ってくるだろう。誰でも個人としては、心にいくらかの「善」を持っているはずだから。
それなのに、なぜ偽装したり、手抜きをして食の安全を蔑ろにしたりするのだろう?
自己の利益追求が最大の理由。他には、その商品を口にする消費者の不特定化がある。
自己の利益追求。誰でも知っているとおり、人間は悲しいけど、自分が得をしたい他の人より自分だけ得をしたいという気持ちに支配されがち。
消費者の不特定化については、こう考えられる。
たとえば、お弁当を、愛する人、かわいい自分の子供や愛する夫や妻のために作る。その時は食べる人の姿を想像できるし、その人の健康も気になる。自分が食べる以上の注意を払って、お弁当を作るに違いない。
さて、お弁当づくりがうまくなり、小さなお店を開く。買いに来てくれるのは、近所の人や知った顔ばかり。やっぱりその人たちの顔を浮かべてきちんとお弁当を作る。でも、ここでは、家の中と違って、役務の提供(お弁当づくり)の対価が発生している。もう、対価であるお金が「ありがとう」の意味を果たしているのだ。
だんだんお店も大きくなり工場でラインで生産することに。あなたはもう社長さん。現場には監督者としてたまに足を運ぶだけ。お弁当を作ることもなく、消費者の顔を見ることもなくなった。
すると、対価にすぎなかったお金が、重大な大きなウェイトを占め始めるのです。あなたを動かすものは、ただ経費節減と利益追求だけになってしまったのです。
誰が食べるのか顔も浮かばない、そうなると、つい利益追求にばかり走って、少しくらいいいだろうと食の安全を脅かすことにさえ手を染めてしまう。
今日も道路にはごみが一杯落ちている。誰でも愛する人の家の前や敷地にならゴミを捨てないはず。「誰の家の前でもない、ただの道路だからゴミを捨ててもいいだろう。」
不特定化は、私たちの持っている善意や良心を容易に鈍らせてしまう恐ろしい魔力を持っている。
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